兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》

チャペルのバージンロードを、お父さんと腕を組んで歩いていく。



お父さんのポケットには、私のパパとママの写真が入っている。



3歳から私を育ててくれたお父さんとの日々を思い出しながら歩いていた。



祭壇の前で、お父さんからお兄ちゃんに引き渡された。



「病めるときも、健やかなるときも、愛をもって互いに支え合うことを誓いますか?」



「誓います」



指輪を交換して、お兄ちゃんは私のベールを上げた。



口にはしない約束だったのに、堂々と口にキスされて、私は恥ずかしかった。



お兄ちゃんと腕を組んで、バージンロードを歩いていく。



チャペルの外に出ると、ゲストのみんなが私たちに祝福の花びらをまく。



フラワーシャワーの中を歩いていく私たちの周りは、笑顔に包まれていた。



私は腕を組んだまま、お兄ちゃんを見上げた。