兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》

「ここって……」



「ここは、美衣の実のご両親のお墓よ」



お母さんは私に振り返ってそう答えてから、手を合わせた。



「お母さん、どうして……」



「今まで黙っていて、ごめんなさいね。

ご両親に美衣の姿見せたくて、毎年こっそりお参りに来ていたの」



お母さんは後ろに下がって、私に場所を譲った。



私はお墓の正面に立って、パパとママが眠るお墓を見上げた。