兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》

お母さんが車で連れてきてくれたのは、郊外にある墓地だった。



この墓地には、お母さんの親友のお墓があって、毎年お盆には必ず家族でお参りにきていた。



「お母さん、どうしたの?
今日、お盆じゃないよ……」



花束を抱えて歩くお母さんを追いかけて、墓地の中を歩いていく。



お母さんは、毎年お参りにきているお母さんの親友のお墓の前で立ち止まった。



「今日は、美衣のパパとママの月命日よ……」



お母さんはそう言って、花をたむけた。