兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》

お兄ちゃんは、東京へ行ってしまった。



だけど、私の胸には、お兄ちゃんとおそろいのネックレスが輝いている。



私はお兄ちゃんを信じて、四年間この家で待とうと思った。



お兄ちゃんがいないリビングは、少し寂しく感じてしまう。



私はソファーに腰かけて、お兄ちゃんがいつも座っていた場所を見つめていた。



「やっぱり、お兄ちゃんいないと寂しいわね」



ポツンと一人で座っていた私に、お母さんが微笑みかける。



「美衣は、今日予定ある?」



「学校休みだし……特に用事ないけど……」



「じゃあ、お母さんと二人でドライブしましょ。
美衣を連れていきたい場所があるの」



お母さんが私を連れていきたい場所って、どこだろう……



一人でリビングにいても寂しいだけだし、私はお母さんに笑顔でうなずいた。