兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》

「美衣は、待っててくれるか?」



「うん」



私を優しく見下ろしたお兄ちゃんにうなずいた。



「離れていても、お兄ちゃんと私は家族だもん。
だから……大丈夫」



私は、自分に言い聞かせるようにそう言った。



お兄ちゃんと私は、恋人にはなれない。



その代わり、恋人みたいに別れることはない。



家族として、離れていてもずっとつながっていられる。



「美衣はずっと、俺と家族でいてくれるか?」



「もちろんだよ。私は、お兄ちゃんの妹だから……」



私の言葉に、お兄ちゃんは足を止めた。