兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》

「お前は昔から、俺の後ろ歩くの好きだな」



お兄ちゃんが突然振り返るから、私はビックリして立ち止まってしまった。



「だって……後ろのほうが、なんか安心するし」



私はずっと、お兄ちゃんの背中を見ていたかった。



小さい頃から、この大きな背中に守られてる気がしていた。



「こっち来いよ」



「うん」



私はうなずいて、お兄ちゃんの隣に並んだ。



「お兄ちゃん、もうすぐ東京行っちゃうんだね……」