「何って……勉強に決まってるだろ。

俺たち受験生だし、今のうちに追い込んでおかないとな」



「お兄ちゃんの嘘つき……
私、帰ってきたんだよ。

お兄ちゃんの部屋の前にいた」



美衣は、立ったまま振り返る。



「お兄ちゃんは、涼子さんと付き合ってるの?」



「……付き合ってる」



「お兄ちゃんは、涼子さんのことが好きなの?」



「それは……まだわからない」



「お兄ちゃんは、好きでもない人とあんなことするの?
……最低」



美衣は、ソファーに置いてあったクッションを俺に投げつけた。