【要side】

「いてっ……」



涼子の平手が、俺の頬に飛んできた。



「要……そういうの、やめてくれない?」



涼子はベッドから起き上がると、床に脱ぎ捨てられた洋服を拾い上げた。



「要は、私の中に誰を見てるの?」



涼子は、怒った顔でシャツをはおる。



「ごめん……」



「要となら、そういうふうになっても構わないけど……
こんなのは嫌」



涼子は、うつむく俺を残して部屋を出ていった。