私は玄関マットに置かれた可哀想な財布を拾い上げると、家の中に入った。



お兄ちゃんは、涼子さんと何をしているんだろう。



私は物音を立てないように、階段を上った。



お兄ちゃんの部屋のドアの前に立つ。



部屋の中からは、涼子さんの細く高い声が響いていた。