「いかがですか?」



店員は営業スマイルを崩さずに立っていたが、俺はその商品を元の場所に置いた。



「すみません……ちょっと他も見てきます」



「またいらしてください」



店員に見送られて、ジュエリーの店を離れる。



やはりアクセサリーは、恋人に送るものなんだろうか。



兄からもらったプレゼントに『I love you』と刻まれていたら、普通に怖いだろう。



俺はショッピングモールをさまよって、女の子が好きそうな雑貨屋の前で立ち止まった。