「美衣……今年のクリスマスは、家でパーティーしようぜ」



「うん」



今まで嫌いだったクリスマスが、少しだけ好きになれそうな気がした。



「お兄ちゃん……ありがとう」



見上げると、お兄ちゃんの顔がすぐそこにあった。



なんだか恥ずかしくってきて、私はお兄ちゃんから体を離した。



「お兄ちゃん、お腹すいちゃった……ハンバーグ食べたい」



「よし、今日はちょっといいやつ食おうぜ。
母さんには秘密な」



「うん」



私はうなずいて、お兄ちゃんの背中を追いかけた。