「美衣、待てよ……

血がつながってないと、家族になれない決まりでもあるのか?」



要の言葉に、私は足を止めた。



「血がつながってないと、本当の兄妹になれないのか?」



振り返ると、要は、ずっと私が追いかけてきたお兄ちゃんの顔をしていた。



「俺は、お前がこの家に来た日からずっと、お前のことを妹だと思ってきた。

血がつながっていなくても、その気持ちは変わらない。

これからも、お前の兄でいたいと思ってる」



「要……どうして……

私は、子どもの時からずっと要に迷惑かけてばかりで……
全然、要の役に立ってないんだよ」



「それで、いいんだよ。
お前は、俺の可愛い妹だから……」



私の目から、ポロポロ涙がこぼれ落ちる。



「お兄ちゃん……ごめんなさい」



私はお兄ちゃんに駆け寄って、お兄ちゃんの腕をギュッと握った。