兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》

俺は、その手紙を持って階段を駆け下りる。



リビングにも、美衣の姿はなかった。



「母さん、美衣は?」



「美衣なら、さっき出ていったわよ。
今日はお友達と一緒に食べてくるから、夕飯はいらないって」



「母さん、ちょっと出てくる。
俺も夕飯いらないから」



俺は母親にそう言って、家を飛び出した。