兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》

『みいちゃん、どうしたの?
ハンバーグ嫌い?』



私はハンバーグの顔を見つめたまま、首を横に振った。



私の向かいには、当時5歳だった要が座って、美味しそうにハンバーグを食べていた。



『シチュー食べてみて。おいしいわよ』



お母さんは笑顔でそう言ったけど、私はスプーンを握らなかった。



『一口だけでも食べてみて。冷めるとおいしくなくなっちゃうわよ』



私は何も答えずに、まだハンバーグを見つめていた。



『みい、好き嫌いしてたら、大きくなれないぞ。
ちゃんと食べろよ』



私の向かいに座っていた要が、ふれくされたような顔でそう言った。