永遠に解けない夢を

 ソーダ水のように青く、どこまでも澄んでいたあの空。
 翡翠色の葉が落とす影は涼やかに肌を撫で、水面は記憶の断片を映すように、ただ眩しく煌めいている。


 夏の昼下がりの図書室。好きな物語を手に微睡み、寄り道で買った駄菓子屋のラムネ。
 軒先に並んだ向日葵や朝顔が、強い日差しの中で堂々と誇らしげに咲き、遠くの街からは、祭囃子の音が風に乗って届く。
 

 山積みの課題さえ、この長い休暇を彩る欠かせない欠片だった。

 学生にとっての夏休みは、宝の山だ。普段体験できないような体験も出来たりする、果てしなく自由で夢のような日々。
 

 真っ白なノートに、まだ見ぬ季節の夢の地図を描いていく。



 きっと、かけがえのない夏がやってくる。

――そんな予感に、胸を熱くさせていた。