「本当にあいつは…もう!」
高校2年生の冬。僕の隣で真琴がぶつぶつと呪文を唱えるかのように文句を言っている。
どうやら、同じ学年の女子のことについて文句を言っているようだ。
僕は、真琴の愚痴を聞く。その話を聞いた僕は、正直引いてしまった。
その時、学んだことは――人なんて信じない方が良い、ということだった。
その日から、僕は人を完全に信じられなくなっていた。
真琴や真琴の親友でさえも信じられなくなっていた。
…人間関係なんて複雑に絡まった糸みたいで面倒くさい。親密になるには、その糸を全て解かなくてはならない。その糸は、脆く弱い。どこで切れるか分からないから怖い。
裏切らないで…離れていかないで。怖い、怖いの…!でも、1人になりたい。もうこんな思いをしたくないから。
泣きたくても泣けない僕なんて要らない。無理しないでいいよ、って言うけど…無理してしまう…そんな僕が嫌いだっ!
恋愛なんてしたくない。子どもなんて要らない。きっと、僕には子どもを愛することなんて出来ないから。
……誰かこんな僕を助けて…!
そこまで考えた時、僕の目の前は闇に包まれた。その中にいる僕の目の前に2筋の光が差し込んだ。
「……ごめん。…僕、もう一度だけ…2人だけだけど信じてみようと思う」
僕は、柔らかく微笑んだ。



