「いじわる。そう言って私をいじめて楽しい?」
「いじめてる? 俺が君を。こうして毎年会いに来ている俺に、そんなことを言うのか」
「そう、言うの」
 彼女はまっすぐ顔を上げ、きっぱりと答えた。
「毎年会いに来ているのは私の方なのに」


「そうかもな」


 あとは何も返すことができない。