クリスマスの夜に


 まやみさんがあなたのいる世界で生をなすことが出来るように。

 それからあの水晶のペンダントは、まやみさんが肌身離さず身につけるようになった。

 そう、まやみさんにとって、あなたはサンタクロースなの。自分の命を繋ぎ、生きることを与えてくれたサンタクロースなのよ。

 まやみさんはあなたが彼女を愛する前からずっと愛していた。兄妹という枠を超えた愛を大切に、心の奥深くに沁み込むほどに愛していた。あなた巧を。

 十二月二十四日。それはまやみさんがこの世に生を成した日。そしてこの世を去った日でもあるの。
 そしてあなたが、まやみさんに託した水晶の力が切れる時期が近づいた。