「もう、こんな時間。私もうそろそろ帰らないと」 ゆっくりと、また風力発電の羽が動きだした。 その時また「カノン」が僕の耳に聴こえてくる。 厳かで、静かにその曲は雪の舞う空から降り注ぐように僕を包み込む。 雪の一粒一粒が天使の様に僕に降り注ぐ。 「教えてくれ。まやみの事を」 その重い口は開き、声となり彼女に届いた。