俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

心臓が音をたて、締め付けた。

「……心臓に悪いな……」

今更ながら、思った。

リリーを見ていると、胸の鼓動が高鳴り止まらない。溶けてしまいそうな甘さが俺を包んでいる。他の女性と話している時には、決して感じないものだ。

リリーをもう一度見れば、眠り姫のように美しく深い眠りに落ちている。

ああ、俺は……リリーに恋をしているんだな……。

リリーにゆっくりと顔を近づける。リリーが目を覚ます気配はない。

俺は、柔らかそうな唇ではなく、熱で熱くなったリリーのおでこにそっと口付けた。

体中が熱くなる。リリーは知らないが、キスをしたのだ。

「……やっぱりそういうことをしたネ」

俺の心臓が、別の意味で音を立てた。苦味が広がっていく音がする。振り返れば、医者の顔をしたリーが腕組みをして立っていた。

「リー、休みに行ったんじゃなかったのか?」

そう訊ねるとリーは俺に近づく。

「私は、お前がリリーのことが好きだということを知っているネ。いいや、私だけじゃないヨ。みんなお前の気持ちを知っているヨ。リリーが眠ってる間に何かするんじゃないかと思ってちょっと見てたんだヨ」

恥ずかしさで俺はリーから顔をそらす。うまく誤魔化していたつもりだったが、みんなに知られていたとは…。もしも刑事だったら失格と言われるだろう。

「まあ、口にキスをしなかったことは褒めるネ。口にしていたらお前も感染していたヨ!」