俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

リリーの予感は的中しているだろう。もしもこの街全体で停電が起きたなら、復旧には時間がかかる。美術館のスタッフがランプを持って避難誘導をするはずだ。

しかし、電気はすぐについた。ということは、何者かがブレーカーを落とし、また戻したからに違いない。

「すぐに現地の警察を呼んでくれ!」

俺の言葉に、スタッフや客はすぐに動いた。

そのあと、現地の警察に事情を説明し、俺たちは捜査の邪魔にならないよう美術館を追い出された。



「はあ〜…。すごいタイミングでいつも事件が起こるよね。僕たちって誰かから呪われてるのかな?」

微笑みながらイワンが恐ろしい台詞を言う。

「イワン、怖いことは言わないでほしいネ!」

リーが体を震わせた。

予定よりもずっと早く美術館を出る羽目になってしまった俺たちは、イワンの家に行くことにした。

「せっかくだし、お昼ご馳走するよ!」

「イエーイ!楽しみだ!」

イワンの言葉にアレックスがはしゃぐ。

イワンの家は、美術館から三十分ほどのところにあった。

「とてもかわいらしいお家ですわね」

「本当!ゲホッゲホッ!まるでおとぎ話に出てくるお家見たい!!」

リリーとフローレンスが目を輝かせる。

白塗りの三階建ての家は、赤い屋根をしていてまるでお菓子のようだ。たしかにかわいらしい。イワンの家の周りには、離れたところに民家がポツポツとあるだけだ。

「本当?嬉しいなぁ」

イワンが頰を赤く染める。リリーに惚れたのか?と俺は一瞬警戒した。