俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

リリーはただ黙って、窓の外を流れる景色を見つめている。

俺たちの胸に心配がますます募った。

「ロール国は世界で一番大きな国ですし、どれほど広いのか楽しみです!」

ジャックがイワンに笑いかける。

バスの中は、楽しい空気一色で包まれている。

「リーバス!」

俺の座っている席に、リーがやって来た。その顔は真剣そのものだ。

「何だ?」

緊張する俺に、リーがリリーに聞こえないように小声で言う。

「なるべくリリーを一人にしないように、そばにいてやってほしいネ。小町やフローレンスには、リリーがトイレに行った時について行ってほしいと頼んだヨ!……もしリリーが一人の時倒れたら大変だからネ」

「……わかった」

重大な任務を任されたと、俺の心臓の鼓動が早くなる。

リーはリリー以外の全員に、同じことを言い、席に戻っていった。

美術館は、ホテルから一時間も離れた場所にあった。

「やっと着いた〜!!」

バスが止まると、アレックスが大きく体を伸ばす。フローレンスはあくびをし、眠っていたリリーも目を覚ました。

「ここはアナスタシア美術館!世界で一番広い美術館なんだよ!」

イワンがそう言いながらバスを降りる。外の空気は相変わらず冷たい。