俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

俺がそう言って会議室に足を踏み入れると、ひやりとした空気が俺を包む。

「何でこんなに寒いんですの?」

「暖房は付いていないんですか?」

フローレンスとか小町が体を震わせる。

「えっ…?これくらいの寒さ、僕は全然平気だよ?暖房なんて付ける必要ある?」

きょとんと首を傾げるイワンに、全員が揃って「暖房、付けてください!」と言った。こんな寒いところでは会議などしていられない。

ふと、会議室を見渡すと、寒そうに体を震わせ、コートを強く握りしめるリリーがいた。

俺は迷わずリリーに近づき、自分の首に巻いていたマフラーをリリーに巻きつける。まるで、リリーがドリス国に来た時のようだ。

「えっ…」

「暖房が付くまでこうしていろ」

俺は優しく微笑む。リリーは「ありがとう」と言い頷く。

イワンはゆっくりと暖房をつけた。赤い炎の色が見えた刹那、アレックスとリーが暖房の前を陣取り、俺が怒鳴る。

会議が始まる前から、会議室は賑やかだった。



会議は三日ほどで終わる予定だったが、予想以上に進まず五日もかかってしまった。

会議中、リリーはずっと咳き込んだりしていて心配だったが、リーの診察を受けたがらない。