俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

しかし、リリーは寒そうに体を震わせ、うつむいたままだ。

「リリー?」

俺が声をかけるとリリーは顔を上げ、「大丈夫だから!……寒いし、早く行こ?」と笑う。しかしその目には無理があるような気がした……。

リリーは俺たちに背を向け、会議場の中へと入っていく。

「リリー、元気なさそうだネ」

医者のリーの目が鋭くなる。

「…すまん。後で診てやってくれないか?体調を崩しているようなんだ」

俺がそう言うと、リーは「そうみたいだネ」と頷く。

「会議が終わった後、リリーを診るネ!」

リーの言葉に俺は安心した。

会議室へ向かう廊下も、外と対して変わらない。一歩足を踏み出すたびに、体に寒気が走る。

「やあ、リーバスくん!みんな!寒い中ようこそ、ロール国へ!」

会議室の扉を開けると、イワンが笑顔で出迎えた。

「会議終わってもロール国にいるんでしょ?観光するなら任せてね!」

自国での会議だからか、イワンはいつも以上に楽しそうだ。

「ロール国はどんな観光スポットがあるの?」

アレックスの質問に、「有名なスケートリンクがあるよ!後、美術館とかかなぁ」とイワンは答える。

「まあ、とにかく世話になることは確かだな」