俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

「ん…」

リリーは雪が積もった地面を踏みしめ、乗り物まで歩いていく。しかし、リリーの体が崩れ落ちた。慌てて俺はリリーの体を支える。

「大丈夫か?」

体に冷たい風が吹き付ける。しかしリリーの体は温かい。

「ごめん。ちょっと目まいがしたんだ…」

元気の塊のようなリリーのその言葉に、俺の中で心配が募る。何かリリーは大病を患っているのではないか、と不安になってしまう。

「あとでリーに診てもらおう」

そう言った俺に、リリーは首を横に振って答える。

「大丈夫!ちょっと疲れてるだけだよ」

俺が体を離すと、リリーはゆっくりと乗り物に乗った。いつものようなはしゃぐ光景がないのは、予想以上の寒さのせいだと思いたい。

その鉄の乗り物は、バスというらしい。運転手がにこやかに笑って教えてくれた。

「次は〜グリープ〜。グリープ〜」

バスの運転手が停留所の名前を告げる。

バスの座席は二人がけのものが後方にたくさんにあり、前方には一人がけの席が多い。

二人がけの席に小町とフローレンス、リーとアレックスが座り、一人がけの席にジャックとリーが座っていた。俺も一人がけの席に座る。乗客は俺たちだけだ。