俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

「さて、全員揃いましたし会議場へ向かいましょう。イワンさんが会議の準備をしてくれています」

ジャックが白い息を吐きながら言う。たしかにこのままでは、全員凍えてしまう。

「リーバス…!この寒さ何とかならない?」

ガタガタと体を震わせながら、リリーが訊ねる。

「早く会議場へ向かおう。そこは温かいはずだ」

俺はそう言うしかできない。

俺たちは列車でロール国までやって来た。煉瓦造りの駅を出て、馬車を探すが見当たらない。

「すみません、馬車はありませんの?」

寒さに耐えられないのか、フローレンスが近くにいた人に訊ねる。

「馬車?この国じゃそんなものないよ!この国じゃ馬は神様の使いなんだ。働かせるなんてどうかしてる!行きたい場所があるならアレに乗りなよ」

そう言ってその人が指差したのは、鉄でできた大きな塊のような乗り物だった。

「見たことない乗り物だネ…。私、何だか不安になってきたヨ!」

リーがそう言いながらも、真っ先に乗り物に乗り込んでいく。……言葉と行動が一致していないぞ。

「うう〜!寒い寒い!!」

アレックスが普段見たことのないスピードで乗り込む。

フローレンス、小町、ジャックも次々とその乗り物に乗っていく。残るはーーー……。

「リリー、早く乗るぞ!」

体を震わせるリリーに言う。リリーの顔は真っ青だ。