俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

さっきまでの楽しい空気は一瞬で消え去った。みんな悲鳴を上げ、あちこちへ走って逃げていく。

「リーバス!」

リリーが怯えた目を俺に向けながら、俺の体にしがみつく。

「リリー!大丈夫だ!」

俺はリリーの腕をしっかりと掴む。そして急いで走り、避難を始めた。

パニックで人があふれかえった祭り会場では、小町やジャックの姿を見つけるのはもちろん、新喜劇の役者たちを探すことさえできない。

泣き叫ぶ声、たくさんの悲鳴、何かが壊れる音、屋台が燃えていく音ーーー。喧騒の中、ただひたすら走る。

もしも密室なら、避難誘導ができたかもしれない。しかし、外では俺の声など届かない。それがもどかしい。

火の粉が宙を舞い、人々に降り注ぐ。振り返れば、先ほどまで人々を楽しませていた山車が恐怖の塊と化していた。

裏路地などを走り、祭り会場を抜けたところで、やっと小町とジャックに出会えた。

「リーバスさん!リリーさん!ご無事でしたか?」

ジャックが焦ったように俺たちの顔を覗き込む。小町は暗い表情をしていた。

「こんなことになってしまうなんて……。本当に申し訳ありません……」

「いや、別にお前のせいではないのだし、気にすることはないんだ」

「そうだよ!小町のせいなんかじゃない!」

俺とリリーはそう言うが、小町の暗い顔はなかなか晴れなかった。

何十人もの怪我人を出し、祭りは恐怖に包まれたまま、終わりを迎えた。