俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

リリーの撃ったものは、一つも景品を落とすことなくその横をかすめていった。

「まっ、まだまだ〜」

リリーは二発続けて撃つ。どちらも外れた。

「……リリー、貸してみろ」

俺はリリーから銃を受け取り、「何を狙っているんだ?」と訊ねる。

「三段目にあるクマのぬいぐるみ」

「射撃の初心者が狙うものではないだろう!」

俺は呆れたが、リリーはいつになく真剣な表情だ。仕事でもこういう顔を見せてほしいものだ。

俺は銃を構え、クマのぬいぐるみをじっと睨むように見つめる。射撃は警官の訓練で何度か経験済みだ。……もちろん、訓練では本物の銃だが。

クマのぬいぐるみの額を狙って引き金を引く。それは、ほんの一瞬の出来事だった。

クマのぬいぐるみが棚から落ち、新喜劇の役者たちとリリーが歓声を上げる。

「あんた、大した腕前だね!」

射撃の出店のおじさんがそう言いながら、景品のぬいぐるみを俺に手渡した。

「リリー」

俺は真っ先にリリーにぬいぐるみを渡す。リリーは驚いたように、じっとぬいぐるみを見つめた。

「もらっちゃっていいの?」

「当たり前だ。お前が欲しかったものなんだからな」

「ありがとう」