拝見 ルーファス・マーロン様
桜花国で、恐ろしい事件に巻き込まれました。
やはり、油断はできないようです。
詳しいことはタンバリー国へ帰国してから話そうと思います。
ライナとともにいつもの場所で話しましょう。
クリスタル・モーガン
その人物は、手紙を便せんに入れ、そっと部屋を出る。廊下は暗く、果てしなく思えた。
廊下を壁伝いにその人物は進み、階段を降り、旅館の外に出る。タンバリー国とは違う夜風が、その人物の頰を撫でた。
その人物は急いで郵便局へと向かった。もちろん闇に包まれている道を歩いている者などいない。
郵便局のポストに、その人物は手紙を入れた。
「……無事に届きますように……」
その人物にとって、手紙を出すという行為は非常に危険なものなのだ。自分の居場所が知られるのはまずい。それでも、事件があったと伝えたかったのだ。
「ここまで行動できるようになったのも、きっとあの方のおかげですね……」
その人物は旅館へと引き返した。
次の日、リリーはいつにも増して楽しげだった。
理由はわかる。この国に来た目的である祭りが開催されるからだ。
「リーバス!今日の夜のお祭り、楽しみだね〜」
リリーははしゃいで足を机にぶつけた。「いった〜!」という声が響く。


