突然の言葉に俺は戸惑う。二人でという単語に、胸が高鳴った。

俺は驚いた拍子に湯のみを落としてしまい、お茶をこぼしてしまった。

「大丈夫ですか?」

小町が素早く立ち上がり、お茶を拭く。その小町の動作はとても慣れを感じた。桜花人は仕事が早い。

「あっ、お茶新しいの入れるね!」

リリーも立ち上がり、空になった俺の湯のみにお茶を注ぐ。

「どうぞ!」

満面の笑みでリリーは言う。俺はドキドキしながら「あ、ありがとう……」と言って湯のみを受け取った。

「リーバスさんもそんな面があるんですね」

俺の前に座るジャックが微笑む。

「そんな面とは何だ?」

俺がそう訊ねると、ジャックはきょとんとした顔をする。

「言っていいんですか?」

「何をだ?」

「リーバスさん、女性に誘われたらそんな風に顔が真っ赤になるんですね」

ジャックがにこにこと微笑みながら言った。小町もクスクスと笑う。

俺の体が一気に熱くなった。恥ずかしさが心を掴む。

「わっ!リーバス、顔真っ赤だよ!大丈夫?」

リリーが俺のおでこに触れる。柔らかなリリーの手に、ますます体温が上がる気がした。

「う〜ん…熱はないみたいだね…」

普段あまり見せない真面目な表情で、リリーは熱を測る。俺の恥ずかしさはピークを迎えた。