「あなたには……もう心に決めた人がいるのですか……?」

そう訊ねる王妃に、私は「はい」と頰を赤くしながら答える。頭の中にリーバスの顔が浮かび、棘だらけだった心が一瞬で穏やかになっていく。

「私は、たとえ許されなくても生涯リーバス・ヴィンヘルムを愛し続けます」

リーバスと未来を作っていきたい…。

そう思う私に、王妃は優しく微笑む。

「話し合いをしましょう。これからのことを」

「…はい!」

私は、大きく頷いた。