ずっと胸に秘めていた想い。掴みたい未来。

過去の出来事。自分の夢。

対策本部のメンバーの顔を思い浮かべる。思い出が再生される。あの時の本当の私を、もう殺したくない。勝手に未来を……作られたくない!

国王は、権力がどうのこうの言っている。うるさいし耳障りだ。

私は、ヒールの靴で床に思い切り足を叩きつけた。床にガンという音が響く。

「クリスタル…?」

きょとんとしている国王を私は睨みつけ、口を開く。

「……その口で私の名前を呼ぶな!この卑怯者のクズ野郎が!!」

私の口から出た言葉に、国王と王妃は驚いている。私は口を閉じまいと話し続けた。

「私が生まれたのは、全部あんたのせいだろうが!あんたが身分をわきまえないから私ができた!それなのに私の存在を隠して、自分の都合が悪くなったら娘扱いか?ふざけるのもいい加減にしろ!!」

私は国王に詰め寄り、豪華な衣装の首もとを掴む。国王は怯え、声にならない声を上げた。

「私はあんたを父親だとは思わないし、認めない!!愛のない結婚もしない!!私は地位や富を捨ててでも自由になる!!私はあんたの操り人形でも、保険でも、道具でもない!!これ以上…自分で自分を殺してたまるか!!」

そう吐き捨て、私は扉に向かって歩き出す。もう城から立ち去るつもりだった。

そんな私の背中に、「待ってください」と王妃が声をかける。私は「何でしょうか?」と冷たい目を向けた。