一週間に二回ほど、私は城を抜け出してリリーと遊んだ。探検をしたり、隠れんぼや鬼ごっこ、歌を歌ったり、踊ったり、楽しい時間は一瞬で過ぎていった。

そんなある日、リリーがいつも以上に嬉しそうだった。

「どうしたんですか？」

「実はね、今日は私の誕生日なの！」

パーティーに行こう、とリリーは私の手を取り、家へと連れて行ってくれた。

そこにあったのは、私が驚く光景ばかりだった。母親が自分で料理を作り、部屋は手作りの飾り付けがされている。貴族や王族のパーティーとは全然違う。それでも、楽しそうだった。

「お誕生日、おめでとうございます」

私は微笑む。リリーは「ありがと！」と言って笑っていた。

その日が最後になるとも知らずに、私はリリーとパーティーを楽しんだ。

「またね！」

二人、いつものように別れた。

抜け道を戻り、城の自分の部屋に戻ると、そこには顔を怒りで赤くした国王や大臣が立っていた。

「街でお前のことが噂になっている！！外に出るなと言っただろう！！」

国王や大臣に怒鳴りつけられ、私は恐怖で震えた。国王や大臣は私と関わることもなく、話しかけてくることなど今までなかったからだ。