「クリスタル様!おめでとうございます!待ちに待った平和が訪れますよ!」

タンバリー国の街外れの屋敷で、新聞を手にしたルーファス・マーロンが喜ぶ。ライナも「本当ですか!?」と喜んだ。しかし、その人物が「まだです」と釘を刺す。

「まだ世界を翻弄させている人物たちを、誰一人として逮捕できていません。奴らを野放しにすれば、また戦争につながってしまいます」

その言葉に、ルーファスとライナは「そうですね…」と肩を落とした。その人物は慌てて謝る。

「申し訳ありません。傷つけるつもりはありません。私も、平和になることはとても嬉しいのです。しかし……」

その人が口を閉じると、ライナとルーファスはさらに暗い顔になる。二人はその人物の大きな秘密も、世界を翻弄させている全ての黒幕も知っている。だから尚更、その人物の痛みがわかるのだ。

「……いつ、作戦を決行しますか?」

その人物が真面目な表情で訊ねる。ルーファスがすぐに答えた。

「マットが黒幕を監視しています。奴はどうやら爆弾を作っているようです。小型のもののようですが、威力はかなりあるものだとか」