「お前ら仲間ヅラしてるけどよ、こん中に裏切り者がいるって知ってんのかよ?俺はその裏切り者に頼まれてこの事件を起こしたんだ!」

リリーが怯えた目で小町の肩を掴む。小町もリリーの腕に手を置き、「大丈夫ですよ」と微笑んだ。

裏切り者……。考えたくもない言葉だ。しかし、この男が嘘を言っているようには見えない。

「黒幕が一番悪だが、そこの嬢ちゃん!あんたも多くの人を騙してるじゃねえか!!被害者ヅラしてんじゃねえよ!」

男がリリーを見つめる。リリーはびくりと肩を震わせた。

「議長さん、この女の正体はな……」

男が口を開く。リリーが「やめてぇぇぇぇ!!」と叫んだ。その刹那ーーー。

男が急にうめき声を上げて苦しみだす。口から泡を吹き、ピクピクと体を痙攣させた。

「おい!どうした?しっかりしろ!!」

俺が揺さぶると、リーが「私が診るネ!!」と対応し始めた。

大広間はパニック状態になる。

その刹那、リリーの体が崩れ落ち、俺は「リリー!」と大声を出しながら受け止めた。

俺の腕の中で、リリーは眠り姫のように意識を手放していた。