朝っぱらだというのに、手に酒の瓶と血の滴る包丁を持ったあの入れ墨男が大広間の中心にいた。入れ墨男が誰を狙っているのか、それはすぐにわかった。狙っている人物を凝視していたのですぐにわかった。

どこで買ったのか、朱国の民族衣装を着たリリーだ。そのリリーの前には小町が立ちはだかり、箸を構えている。

「おい!!その包丁を捨てろ!!」

俺は入れ墨男に向かって言う。入れ墨男はちらりと俺を見たが、すぐにリリーの方を向いた。

俺は急いでリリーたちの前に移動する。

「もう誰も傷つけさせない!!俺が相手だ!!」

俺がそう言うと、入れ墨男はニヤニヤしながら空になった酒の瓶を捨てる。

「立派な体格しているが、私に勝てるのか?お前は武器を持っていないんだぞ!」

ニヤニヤと入れ墨男は挑発をする。そんなものに乗るほど警察は馬鹿ではない。

「俺は武術をしっかりと鍛錬している!!お前に勝てる自信はある!!」

「ほう…。昨日、そこの貴族気取りに負けたくせにか?」

入れ墨男がジャックを指差す。仲間を侮辱され、俺の怒りは爆発寸前だ。

「よくも仲間を傷つけてくれたな…。俺がお前を裁く!!」

「ぶっ殺してやるから覚悟しろ!!」

互いに距離を詰め、戦いが始まった。