俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

「ここ……ですか?」

小町がドアを開けた御者に訊ねる。

「ええ。マーロ通り、十三番地でございます」

どこを見ても森が視界に入り、畑に囲まれた場所に小さな屋敷が建っていた。

「なんか予想と違うね。リリーくんはもっと都会のお嬢様って感じなんだけど……」

イワンが屋敷を見つめ、言う。

二階建ての屋敷は、部屋数も少なそうだ。俺が入ったことのある屋敷の中で、一番小さい。

「とにかく、お邪魔しよう!」

アレックスがドアをノックする。しばらくすると、メイド服を着た若いメイドが姿を見せた。

「こんにちは…」

メイドは目を一瞬見開き、ぎこちない挨拶をする。

「リリー・オクトに会いに来たんだが……」

俺がそう言うと、メイドは「お嬢様はただ今外出中でして……」と申し訳なさそうに答える。

「失礼ですが、お嬢様とどう言ったご関係でしょうか?」

メイドの質問に小町が答える。

「私たちは、リリーさんと同じ仕事をしている同僚です。最近、リリーさんのお元気がないので元気つけようと思い、タンバリー国に来たんです」

「決して怪しい者じゃないヨ!サプライズでパーティーしようと思ってただけだヨ!」