俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

たしかに、外見はとてもきれいだ。道行く人々も足を止め、王宮を見つめている。しかし、その目はどこか寂しげだった。

「……あの王宮の中には、今は掃除をするための召使いくらいしかいないんですよ」

ジャックが言った。

フローレンスと小町は驚き、「なぜですか？」と訊ねる。

「この国は今、強国の支配下にあります。王やお妃は強国が侵略をした際に、亡命国へ子どもたちを連れて逃亡したんです。王やお妃たちは、元気に亡命国で暮らしているそうですよ」

フローレンスと小町は相槌を打った。

そうだ、タンバリー国は世界平和対策本部ができる前に強国に侵略をされ、今ではその国の支配下にある。

俺は新聞で読んだ出来事を思い返した。そして、ふと口を開く。

「……ジャック、たしかこの国の王女が行方不明にその時になったと新聞で読んだ。あれから王女は見つかったのか？」

「王女様が行方不明何ですか！？」

小町が驚く。

ジャックはしばらく考えた後、口を開いた。

「まだ見つかっていないそうです…。王たちは、王女の顔を一部の地域に公開しているそうですよ」

「そうなのか…」と俺は呟き、また景色を見るのに意識を集中させた。