幸せだったよ…【短】





季節は12月…
クリスマスの季節…


その頃にはもぅ
希恵は笑わなかったな…


髪の毛が
どんどん抜けていってたから…


「希恵~」


「……先輩…先輩!
髪がぁ…髪の毛がぁ!」



希恵の髪の毛はもぅ
抗がん剤の副作用で無くなってた…



何もできない俺は
ただ泣き崩れた希恵を

抱きしめることしか
できなかったんだ…



希恵は
俺の胸でひたすら
ただひたすら


大声で…

子供のように…

泣いてたな…?