拓真とこうして並んで歩くなんて久しぶりかもしれない

幾分、暗くなった夜道は街灯が辛うじて足元を
照らしてくれる

静寂にヒールの音がカツカツと響くだけ

「あのさー、拓真」
「その口振りじゃあ脈なしだな」

続きを言う前に言い当てられて、拓真の乾いた笑い
が夜空に吸い込まれていく

「ごめん、、、やっぱり拓真のこと今更男として
意識出来ないっていうかさ、、、」
「じゃあ、意識出来るようにすればいいのか?」

え?

右腕をつかまれ、そのまま腰に手を回して抱き寄せ
られた

ちょっと、、、拓真?