「あんたになんか関係ないことよ」

足早に過ぎ去ろうとするも、足の長さは歴然であっという間に、進路を塞がれる

「どいてよ。急いでるんだから」
「どうせまたロクな男じゃないんだろ」
「あんたに何がわかるのよ。一度会ったくらいで」

綺麗で嫌味な位の端正な顔が、視線を絡めるように屈むと

「俺が相手してやるよ」

何言ってんの?ふざけるのもいい加減にしてよ
キッと睨み付けて、私は呆れるようにため息を漏らした

「結構です」
「自分を取り繕って好きでもない男と一緒にいたいのか?」
「それはあんたも同じじゃない。」
「俺の前で取り繕ってないだろ」

それは、確かに。

って、嫌々。流されないんだから