蝶々を追いかけて迷い込んだ野原で出会った
一人の男の子。

最後の名前の部分だけが記憶から剥ぎ取られて
夢には出てきても、名前だけは思い出せなかった

「まさか、、、あのときの男の子?」
「あぁ、俺だ」
「うそ。だって、、、いつから知ってたの?」

クスリと笑ったその顔はもう、無愛想なんて
似合わないくらいの優しい笑顔だった

「最初に会ったとき。名前聞いてすぐ思い出した」
「なんだ。名前覚えてたんだ?」
「まぁな。しつこく何度も言わされたからな」
「え?なにそれ」