『答えなさい!!三葉!!』

いや……

『なんて悪い子なの!!』


ごめんなさい……


『悪い子にはお仕置きが必要ね!!』


いや!!!!







……あたしに向かっていたはずの手は
誰かによって制止されていた

「ストップ!」

助けてくれたのは
2年の楠木 一葉【くすのき いちよう】
友達の城井 陸斗【しろい りくと】

この学校では知らない人が居ないほど有名な2人だった


けれど私は
ガタガタと震える肩を両手で抑えるのが精一杯だった

「大丈夫?」

陸斗先輩が声をかけてくれる

気づけばさっきの男子はいなくなっていた


「……ありがとうございました」

出来るだけの言葉を振り絞りお礼を言う

ただ誰かに助けてもらえたのが嬉しくて

なぜだか泣きそうになる




1度は背を向けて教室へ向かおうとした


だけど……


「あの!!」


この人なら私を暗い闇から救い出してくれそうな気がした


「先輩!!私と付き合ってください」


震える手で私は一筋の光を掴んだ気がした