一葉に連れてこられたのは大きなショッピングモール


こんな大きいところ初めて来た……


一葉の叔父さんの優さんはカッコイイのに
話し方は女性みたいだった


「三葉ちゃんっていうの?一葉頑固だから大変でしょう?」

「いえ、凄く優しいですよ!」

「えー?!あの一葉が?!あいつ生まれてきた反抗期だからね」

笑いながら優さんはそう言った


手際よくベースメイクを終わらせ
ポイントメイクに移る


……



メイクが終わると優さんはカールアイロンを出して来る


「もうすぐ終わるから一葉にLINEして!あいつ多分今ソワソワしてるわよ」

【もうすぐ終わるみたい!】

一葉にLINEを送ったあと
クスクス2人で笑いながら一葉の話をする



小学生までオネショしてたとか
咲ちゃんとは実はすごく仲良しとか

太陽くんと陽葵ちゃんが生まれたとき号泣したとか


私の知らない一葉の話を沢山聞かせてくれた


「……優兄……変なことばっかり教えるなよ」


いつの間にか後ろに立っていた一葉は不機嫌そう


「あら、一葉!いつから居たの?」


「……オネショの辺りから」


私と優さんは顔を見合わせて笑った



「はい!出来た!」


私は立ち上がり一葉の方を振り向く


一瞬、一葉の顔が赤くなったのがわかった


「三葉ちゃん素材がいいからメイクしてて楽しかった!」


鏡を渡された私は初めてメイクした自分の顔をみた


「……すごい」


ふんわりチークに薄づきのリップ

際に少しだけ伸ばしたライナー


髪はふわふわしたウエーブのカールになっていた


「……可愛い」


一葉の言葉に顔が熱くなる


「はいはい、お二人さん見せつけないでねー!じゃぁ楽しんでらっしゃい!」


コレ餞別!と言った優さんは私に袋を手渡した


さっき使ってくれたメイク道具一式をプレゼントしてくれた


「ありがとうございます!」


そして何度も振り返り手を振った