これ以上遠回しな言い方をしたくはない



「皆んな【みつ】がつくんだね……光華さんが言ってたの、一葉は【みつ】がつく人を探していて、その人の代わりに彼女にするのは名前に【みつ】がつく人だって……」


一葉は困った顔をする



「……ごめん、やっぱりいい」


一葉を困らせたいわけじゃないのに……


やっぱり聞いたことが間違いだった



「……昨日言ったじゃん、俺、母さんの再婚が理解出来なくて家飛び出したって
その時に俺に勇気をくれた女の子が居たんだ
その子は顔も名前も知らない子だった。
でも迎えに来たお母さんに【みつ】ってよばれてた
それから俺はその子にありがとうって言いたくて……
気がついたら【みつ】がつく女の子とばっかり付き合ってた。」


「……じゃぁ私も?」


「三葉は違う!むしろ過去ばっかりに振り回されてた俺を三葉が救ってくれた……
だから俺は三葉をその時の女の子の代わりなんて思ってない!三葉は三葉だよ…何よりも大事な女の子」


一葉の目は真剣だった


「何か俺、かっこ悪ぃ」


女の子みたいに顔を両手で覆った


私はその手をゆっくり外し


自分から初めてのキスをした