……


…………



「……兄!いち兄!!」


咲の呼ぶ声がする



ーーバンッ!


「わ!変態!!」


部屋の扉を開ける音と同時に
咲はそう叫んでバタバタと下に降りて行った


しまった……


俺は三葉を抱きしめたまま眠ってしまっていた


寄りによって咲に見られてしまうなんて
とてつもなく面倒だ


眠っている三葉の髪を撫で
俺は1人でリビングへ降りた



窓の外はすっかり暗くなっている


「あ、変態!!」

俺を見るなり咲が捲し立てる

太陽と陽葵は母さんのそばで遊んでいた

キッチンで料理をしている母さんが俺に気づく

「彼女来てるの?確か一人暮らしだったわよね?良かったらご飯たべてってもらいなさい」

ニコニコしながらそう言った


「あー……今日泊まらせてもいい?」

「……いいけど……節度を守りなさいよ」

不敵に微笑む母さん


多分そういうことだろう……


ありがとうと言い俺は三葉の居る部屋へ戻った