どれくらいの時間が経ったのだろう……



私は確か体育館で……


そして一葉の声が聞こえて……



重たい目を開ける


そこは知らない場所だった


重たく感じる右手を見ると
一葉が手を握っていた


一葉は眠っているのか顔を上げない


私は左手で彼の髪を撫でる


(ここまで連れてきてくれたんだ……)


彼に対する想いは
自分が思うよりも遥かに膨らんでいた



一葉が目を覚ます


「三葉!!」

ガバッと起き上がった一葉に抱きしめられた



「良かった……」


「一葉……苦しい!」


「あ、ごめん」


「ううん、……ありがとう」


私かそう言うと一葉は優しく微笑んだ
その笑顔に安堵する


けれど顔がすぐに険しくなる


「三葉……ちょっと脱いで」



「……え?」


脱ぐ?脱げるはずがない


だって制服の下は
あの時痣がまだ残っている


こんな痣見られたら引かれるに決まっている


「いや、無理!」

顔を背ける


「三葉……大丈夫、大丈夫だから」


しっかりと私の目を見て一葉はそう言った