ベッドに寝かせた三葉の髪を撫でる

まさかあいつが三葉に手を出すなんて思ってもみなかった

俺が撒いた種で三葉をこんなことに巻き込むなんて
自分が情けなくて嫌悪感が芽生える


(くそ!!)


三葉の過去に何があったのかはわからない


だけど彼女が暴力的な行動に激しく反応することだけはわかっていた


(俺と付き合ってる意味無いだろ……)


三葉の髪をかきあげる


……?


三葉の頭皮の一部に縫ったような跡がある


前髪をかきあげると額にも同じような跡があった


少しはだけていたシャツの隙間からは痣のようなものも見えた


(……昨日今日ついた痣じゃない?)


俺の胸がざわつく


これがもし今日ついた痣ではないのなら


暴力的な行為に三葉が怯える辻褄が合う……


『家庭の事情で一人暮らししてるんです』


『うちの両親離婚してるんですよ』


あぁ……そうか……


もっと早く気づいてあげられれば

今日みたいな目に合わせられずに済んだのに……



俺はもう後悔でしかなかった



この感情は同情なんかじゃない


俺は三葉を守りたいと思った


恋?


それもどうか分からないけれど


ただ三葉の笑顔を誰にも奪わせたくない