肩で息をする三葉を抱えたまま
何も考えずに家の方に向かった

「……よう!一葉!!カバン持ってきた」


走ってきた陸斗が俺に追いつく



「陸、助かった」


「家に連れていくの?……保健室で良かったんじゃない?」


確かにそうだ


陸斗に言われるまで気づかなかった


そんな簡単に思いつきそうなことまで分からなくなるくらい
俺は苛立ちで我を忘れていた


「とりあえずカバンは持っていく」


「サンキュー」


三葉の家を通り過ぎ俺の家に着いた


陸斗がドアを開けてくれる


いつの間にか呼吸が整っていた三葉を俺のベッドに寝かせた


「一葉、おつかれ!じゃぁ俺部活行くから、なんかあったら連絡して」


「あぁ、ありがとうな」


陸斗が部屋を出ていった