一葉は毎日教室に迎えに来てくれる


そのおかげか呼び出される事はなくなった


放課後一葉と一緒に帰る時の他愛もない話が
私の1番の楽しみになっている


《今日も迎えに行くから》


一葉に貰った携帯は
一葉のメッセージでいっぱいになった


放課後になり一葉の迎えを待つ


「小石川 三葉いる?」

名前を呼んだのは一葉ではなかった


「ちょっと来て」

制服のリボンの色からすると2年生

……の女子3人

先輩達の後について行く


体育館の入口辺りに差し掛かると急に足を止めた


「小石川 三葉だよね?」


「そうですけど」


「あんた一葉のなに?」


「え?」


「一葉は私のなんだけど」


言われた意味がサッパリ分からない


「……なんの事か分からないんですけど…」


「は?生意気なんだけど」


私は肩を押された

その弾みで壁に体を打ち付け
しゃがみ込む


(あ……)


手が震えて来るのがわかる


「光華!こいつ震えてる」

1人が笑いながらそう言った


私は両手で体を抑える


「ねぇ?知ってる?一葉はね名前に『みつ』がつく女としか付き合わないの
あなたは『みつば』私は『みつか』結局あんたも一葉が探している誰かの代わりなの、わかった?」


光華は私の顎を引っ張る


「わかったならこれ以上一葉の周りうろちょろするの辞めてよ、目障りなのよ」


不敵な笑みでそう言った彼女の
最後の一言で震えが増してきた


「こいつ声も出ないじゃん!」


「マジ最悪!」


呼吸が乱れる


(……やめて)



「三葉!!!」



遠のく意識のなか私を呼ぶ声がした……




その声は……




一葉?